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ホームベーカリーを使わない手作りパン、シナモンロールのお話

ホームベーカリーを使わない手作りパン、シナモンロールのお話

春の雨が降る肌寒い午後、ティータイムのお供にシナモンロールはいかがでしょう?

ちょっぴり苦味を感じるような甘みとかすかな清涼感のあるシナモンパウダーをくるくると巻いて焼き上がりにたっぷりとアイシングをかけたデニッシュです。シナモンロールじゃなければ絶対に食べないアイシング(砂糖衣)も美味しく感じるシナモンの魔法。

渦まきの可愛いデザインと相まって年代を問わず、国境を越えて愛されるロングセラーの代表選手です。

シナモンロールとは?

北欧がふるさと

シナモンロールはスウェーデンで生まれたと言われていて国民的な人気があり「10月4日はシナモンロールの日」に制定されているくらいです。スウェーデンだけではなく、フィンランド、デンマーク、ノルウェーでも大人気でパン屋には必ず置いてあり、よく売れるので一日に何度も焼くそうです。日本ではたっぷりのアイシングがかかっているシナモンロールがポピュラーですが北欧ではパールシュガーと呼ばれる小粒の砂糖が乗っていてデザインも渦まきだけではなく編み込みやねじっているものもあり、パンの生地にはシナモンだけではなくカルダモンも入っています。カルダモンは爽やかでスパイシーな香りが刺激的なショウガ科のスパイスで甘い砂糖にも辛いカレーにも相性が良く、スーッとする爽やかな香りが特徴(参考元:SP食品ホームページ)。
うちのブレッドクラスでもカルダモンを混ぜたキャラメルクリームをかけたパンを作ったことがあり、エキゾチックな香りが人気でした。

シナモン

世界最古の香辛料と呼ばれていますが、用途は香辛料に限らず薬として、また、防腐剤として使われてきたようです。クスノキ科のニッケイ属に属する複数の樹木の内樹皮を乾燥させたもので“シナモン”という1つの品種がある訳ではなく、セイロンシナモン、カシア、ニッキ等の樹木から取っているそうです。カシアは桂皮と呼ばれているもので漢方薬の原料としてよく知られており、ニッキも八つ橋でお馴染みです

シナモンには甘い香りとスパイシーな香りが混ざり合った独特な香りがします。パンやアップルパイにはパウダーにしたシナモンをかけ、コーヒーや紅茶には樹皮を丸めて棒状にしたシナモンスティックを使います。クリームをぼってりと乗せたウィンナーコーヒーをシナモンスティックで混ぜるとシナモンの香りが移って味が柔らかくなるような、苦味とクリームの濃厚さにシナモン独特の風味がかぶさって気持ちが華やぎます。すぐに香りがつく訳ではないのでシナモンスティックをしばらくつけておきましょう。コーヒーや紅茶をポットで淹れる時はポットにシナモンパウダーを入れてもOK。シナモンパウダーは溶けにくいのでよく混ぜて溶かしてからカップに注ぎます。

手作りシナモンロール

パンを作るのって面白い

ここではパンについてのアレコレ、大まかな作る流れを書いていきます。パンはこれまで紹介してきた“パパっと作れる料理”のようにすぐ作れるものではないので、“パンはこんな風に出来上がる”様子をご紹介しながら、手作りパンの楽しさをお伝えしたいと思います。

パン生地作り

パンによって生地に入れる材料が変わります。基本セットは強力粉、イースト、塩、水で、ふっくらした生地にするのなら卵とバターを入れ、さくっと軽い食感にするのなら強力粉を減らして薄力粉を入れる、キレイな焼き色がつくようにモルトパウダーを加えたり、風味をよくするためにスキムミルクを入れたり、と材料の種類や配合は沢山あります。
基本セットの材料で作る生地を“リーン”(簡素な)と呼び、基本セットに加えて砂糖、卵などを加えて作る生地は“リッチ”(豊かな)と呼ばれ、シナモンロールはリッチな生地で作ります。
材料をボウルで混ぜて乳化させてから台の上に出して手でこねていきます。圧力をかけてこねていくと強力粉のたんぱく質からグルテンを出して生地全体をまとめていきます。生地を伸ばしたり、叩いたり、転がしたりして表面がツルリ、一幕張っているようになればこねあがり。一次発酵に進みます。

発酵

イーストが発酵をして炭酸ガスとアルコールを出します。炭酸ガスが生地の中に広がって段々と生地を押し広げていくので、発酵後の生地の大きさは発行前と比べると1.5倍から2倍になっています。生地のこね方が不十分だと発酵が進むにつれ生地が伸びづらくなり、大きく膨らまないので、パン作りでは弾力があって炭酸ガスの気泡が増えても柔軟に取り込めるような生地を作ることがとても大事です。
発酵はイーストが活発に動きやすい40℃程度で行います。教室では発酵器という器械を使っていますが、殆どのオーブンレンジには“発酵”メニューがあるのでこれを使います。発酵させるために特別なことをしている訳ではなく、40℃程度の温度に保ってくれて保湿をしてくれる(スチーム機能付きのオーブンの場合)だけです。イーストが発酵しやすい温度と湿度を作れば発酵は進みます。
生地ごねが終わった段階で(大丈夫かな?)と心配そうな生徒さんも一次発酵が終わって発酵機から出した生地を見て「わー、大きくなってる」と歓声をあげることがしばしば。何度パンを作っても発酵器から生地を出す瞬間は楽しみでモチベーションがグッと上がります。

※ ここでは手に入りやすいインスタントドライイーストを想定しています。

シナモンシュガー

シナモンロールに巻くのはシナモンパウダーだけでしょうか? いえ、無塩バター、砂糖、シナモンパウダーを混ぜたシナモンシュガーを巻きます。1次発酵の間に作っておくとすぐに使えるので便利です。冷蔵庫から出してしばらくの間は無塩バターが堅くて砂糖やシナモンパウダーと混ぜることが出来ないため、パン生地の材料を用意する時に一緒に出しておいて室温に戻しておきます。

成形

パン生地が1.5倍から2倍に膨らんだら“フィンガーチェック”をして発酵具合を確認し、利き手で軽くグーパンチをして生地からガスを抜きます。ガス抜きをしてやや小さくなった生地を“丸め直し”という基本の形に丸め、濡れ布巾の下に置いてベンチタイム - お休みタイムをとると生地が再びふっくらとして一回り大きくなります。イーストの発酵が続いている訳です。
めん棒で生地を長方形に伸ばしたら用意しておいたシナモンシュガーを周囲1cm程度残して生地全体に塗り広げて、生地を手前からくるくると巻きます。1本の長いロールができますので、それを6等分にカットして切り口が上になるように大きめのアルミカップの上に置きます。その生地の上に濡れ布巾をかぶせて乾燥を防ぎ、2次発酵をします。

焼く → 仕上げ

生地が一回り大きくなったら2次発酵の完了です。溶いた卵を6個の生地の表面と横に塗ってオーブンに入れて焼きます。卵を塗ってから焼くとキレイな焼き色がついてツヤが出ます。
焼いている間に粉糖と水を混ぜてアイシングを作ります。ちょうど良い硬さのアイシングを作るのは難しいのですが、スプーンですくって垂らした時にゆっくりとヒラヒラ落ちる位を目安にしています。スプーンから早く落ちる硬さだとシナモンロールに塗ろうとしてもアイシングがシナモンロールの上に留まらずにどんどん下に落ちてしまいます。アイシングは硬さをチェックしながら緩ければ粉糖を足し、硬ければ水を足し、調整しながら作ります。

焼きあがったツヤツヤのシナモンロールの粗熱が取れたらアイシングをかけて5mm角くらいにカットしたアーモンドを乗せれば出来上がり!

島根県江津市のお料理教室から

ココットキッチンスタジオは料理、パン、お菓子が学べる料理教室です。
作り慣れた定番のごはんをもっと美味しく作るために意外と忘れられている「基本」、新しい味の世界をのぞいてみる「好奇心」、日頃の疑問や悩みの答えを見つける「発見」の3つを大切にしています。
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