空芯菜という呼び名は中国での呼び名で茎の中が空洞になっていることからつけられた名前で、茎はシャキシャキとした食感があり、葉は少しヌメリがあるのが特徴です。
東南アジアや日本では沖縄といった暖かな地域が産地で高温多湿を好むそうです。

空芯菜以外にも呼び名が沢山あって
ヨウサイ　　　　和名
朝顔菜　　　　　朝顔のような花を咲かせるため
エンサイ　　　　中国での別名「エンツァイ」が日本に伝わった呼び名
ウンチェーバー　沖縄での呼び名

面白いですね。

茎の中が空洞なので（栄養あるのかな？）と思っちゃいますけど、栄養はかなり豊富です。
まず、ビタミンから見ていきましょう。

空芯菜には体内でビタミンAに変換されるβカロテンが沢山含まれています。ビタミンAは髪、皮膚、爪などの健康を維持したり視力を維持したりする働きがあります。
ビタミンCも豊富なのでβカロテンと共に体の酸化を防いでくれる、つまり細胞の老化を抑えてくれます。

さらにビタミンB1、B2も沢山含んでいます。エネルギー代謝を高める働きがありますから、夏の暑さ疲れから体力を回復させたい時にはもってこいの野菜です。

骨を作るのに欠かせないビタミンであるビタミンKも多く含まれています。
最後に赤血球を作る時に欠かせないビタミン、葉酸も豊富。葉酸は細胞の生産や再生を助ける働きがあるので体を健康に保ち、子供の発育に重要な役割を担っています。

ビタミンの他にカルシウムやマグネシウム、また鉄といったミネラルも豊富。カルシウムやマグネシウムは丈夫な骨に欠かせませんが、前述したビタミンKがあってこそ安定して骨に定着できるのです。
鉄はよく知られているようにヘモグロビンの合成に不可欠なミネラルです。ヘモグロビンは鉄(ヘム)とたんぱく質(グロビン)が結びついたもので赤血球に含まれる赤い色素をもったたんぱく質のことです。
血液の中のヘモグロビンは肺で酸素と結びついて体全体に酸素を運び、体内でたまった二酸化炭素を回収して肺に運ぶ働きをしています。鉄分が不足してヘモグロビンを合成できなくなる赤血球が小さくなり、数も減ってしまうために体内に酸素が行き渡らなくなって動悸、息切れ、疲労感、頭痛などの症状が出てしまいます。
鉄は体内で作ることができないので食物から補給しなければならないため、鉄分を多く含む空芯菜は積極的に食べたい野菜です。

空芯菜の栄養、凄くないですか？

(参考元：旬の食材百科、厚生労働省”e-ヘルスネット”)

空芯菜は圧倒的に炒めものがおススメです。空洞になっている茎のシャキシャキとした食感を楽しむのが王道。ごま油で炒めてにんにくと赤唐辛子を効かせて炒めると食欲が落ちる夏場にぴったりです。
空芯菜は味にクセがないのでどんな食材と組み合わせて炒めても美味しく食べられます。
葉と茎は火通りの時間が異なるので、予め葉と茎を分けておいて茎を炒めて油が回ってきたら葉を炒めましょう。大きな葉ですがすぐに熱が通ってボリュームダウンします。

お浸しにもよく合います。こちらも葉と茎を分けておき、先に茎を湯に入れ、10秒くらいの時間差で葉をさっと茹でて冷水にとります。

空芯菜 1袋
白ねぎ 　　1本
にんにく 　　１片
サラダ油 　　適量
ナンプラー 小さじ1/2
卵 　　　　2個
塩 　　　　少々

※ ナンプラーがない時はオイスターソースを小さじ1/2入れてください。

1. 空芯菜の葉と茎を分ける。茎は3cmの長さに切り、大きな葉は半分位に手でちぎる。
2. 卵をよく溶いておく。
3. フライパンに油を熱し、空芯菜の茎を炒め、しんなりしてきたら葉、白ねぎ、にんにくを加えてさっと炒める。
4. ナンプラーを回しかけ、フタをして弱火で1分加熱する。
5. 強めの中火にし、溶いた卵を回しかけて半熟になったら火を止める。

※ 空芯菜はかなりボリュームがありますので大きめのフライパンを用意してください。