シュトーレンはドイツのドレスデン地方生まれのパンでトンネルのような形をしていることからドイツ語で「坑道」を意味する名前がつきました。
パンの中にはラム酒やブランデー等の洋酒に漬け込んだレーズン、あんず、いちじく、クランベリー等のドライフルーツとアーモンドやカシューナッツなどのナッツ類をふんだんに混ぜ込みます。

ドレスデンでは毎年12月にシュトーレン祭りが開かれます。巨大なシュトーレンが馬車の荷台に乗って町の中をパレードし、最後に切り分けてお祭りの参加者に振舞われます。

ドレスデンは17世紀に驚異的な怪力の持ち主として知られたアウグスト強王が王位を継ぎました。アウグスト強王は文化や芸術にも高い関心を持っていてドレスデンに芸術家や建築家を招いて「ドイツ バロックの真珠」と称賛される美しい街並みを作りました。

繁栄を誇ったこの当時を偲び、シュトーレン祭りのパレードではアウグスト強王や王妃、貴族のコスチュームをまとった人々が登場するそうです。

アドベントは、キリスト教においてイエス・キリストの生誕を待ち望む期間のことで日本では降臨節、待降節などと呼ばれています。

キリスト教といっても宗派などが多数あり、すべてのキリスト教にアドベントがある訳ではありませんが、西方教会と呼ばれる西ヨーロッパで発達したキリスト教（カトリック、プロテスタントを含む）が対象です。
アドベントはイエス・キリストの弟子の1人、アンデレの聖日とされている11月30日に一番近い日曜日から始まり、クリスマスイブまでの4週間です。この期間中は毎日5mm位に薄く切ったシュトーレンを食べながらクリスマスを待ちわびるのです。

今年のアドベントは11月27日から12月24日までの4週間です。

クリスマスは神の子であるイエス・キリストの誕生を祝う記念日です。現代では街にイルミネーションが光沢を放ち、クリスマスツリーも賑やかに飾られて陽気なパーティーが開かれますが、聖書によるとイエス・キリストが誕生したのは馬屋で「ユダヤ人の王としてお生まれになった方の星」に導かれてやってきた3人の博士が静かに祝っただけでした。この時、白い布にくるまれた赤子であるイエス・キリストを模してシュトーレンにたっぷりの粉糖をかけて真っ白にするとも言われています。