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新ごぼう、新にんじんを爽やかに食べるならピクルスで!

新ごぼう、新にんじんを爽やかに食べるならピクルスで!

ちょっと何か献立に足したい時、口さみしい時、食欲がない時、ピクルスが大活躍します。ピクルスは自由度が高い料理なので殆どの野菜が対象になります。硬い根菜でも、キャベツのような葉物野菜でもジューシーなトマトやきゅうりでも美味しく食べられて、しかも簡単に作れて保存もできる。カラフルな野菜を組み合わせると食卓がぱっと明るくなるし、お弁当にも便利。これから迎える熱い夏にぜひ常備したいメニューです。(2024年5月11日更新)

ピクルスって?

世界中で食べられています

ピクルス(Pickle)は、漬物、漬け汁という意味で、お酢に香辛料やハーブを合わせた調味液に野菜を漬けこんだ料理のことです。

身近なピクルスといえば・・・

コルニッション
ハンバーガーの中に挟んである小さなキュウリです。
私はずーっとこの小さなキュウリの名前が”ピクルス”だと思い込んでいました。昭和半ばに生まれた世代にとって、世の中で”ピクルス”と名の付くものはアレくらいでした。
食材の名前ではなく料理名だと知った時の驚き、そしてわが身の無知を深く反省したものです。

らっきょう
カレーのお供として”薬味”というイメージですが、甘酢漬けのらっきょうは立派なピクルスです。
カレーの本場、インドでもアチャールというピクルスを一緒に食べます。アチャールは香辛料を効かせたお酢に玉ねぎやにんじん等を漬けたもので、カレーに限らず日常の食卓に登場するそうです。
暑い国なので食卓に酸味は欠かせないのでしょう。

ピクルスには発酵を伴うものもあります。

代表的なものがザワークラウト、ドイツ名物のキャベツの酢漬けです。
酢漬けといってもキャベツに塩と香辛料を混ぜて漬ける間に発酵によって酸味が生まれます。

ピクルス液いろいろ

ピクルス液は、お酢、水、砂糖、塩に香りと辛味のアクセントをつけて作るのが基本です。香りにはタイムやローリエ、辛味には唐辛子が黒こしょうを使うのが一般的。白ワイン等のアルコール類もよく使われます。ピクルス液は温めて調味料を馴染ませて作るのでアルコール分が飛び、酸味や糖分、アミノ酸等の美味しさが抽出されます。

アメリカやヨーロッパでよくあるタイプはディルピクルスで、ディルというハーブを一緒に漬け込むものです。ディルは爽やかな風味とちょっぴりの苦さが混じったハーブ(よくスモークサーモンやサーモンムースと一緒に使われています)香りがつきすぎないように漬け込みの最後のほうに入れます。ピクルス液はワインビネガーを使うことが多く、長期間、お酢の中で発酵させてできた乳酸菌が旨味になります。

サワーピクルスといってお酢を入れず塩水だけに漬け込むピクルスもあります。
これは長い期間にわたって野菜がもっている乳酸菌をじっくりと発酵させて旨味を蓄積するもので、前項で述べたザワークラウトなどがそうです。

日本でいう“一夜漬け”ピクルスもあります。一晩漬けこむだけなので野菜の甘みや歯ごたえを楽しめます。

砂糖を多めに入れて甘いピクルスにしたり、唐辛子やスパイスを効かせてピリリとした辛さを楽しんだり、ピクルス液の調合によって実に多彩な味が楽しめます。

お酢の効用

お酢の歴史は古く、クレオパトラが美容のために酢に溶かした真珠を飲んでいたという伝説があり、旧約聖書にも出てきます。お酢の英語はビネガー、vinegarで語源はフランス語のvin =wine(ワイン)、aigre(酸味)を合わせたものだそうです(プレマ株式会社 ”ひょうたんコラム”より)。つまり、もとは酸っぱくなってしまったワイン、ということでしょうか。

お酢が体にいい、とよく言われますよね。マルチに活躍してくれます。

疲労回復

クエン酸代謝を活発にしつつ、疲労物質である乳酸を分解してくれます。

エネルギー源である炭水化物、たんぱく質、脂質は体の中で分解されたり合成されたりしてクエン酸を作ります。このクエン酸はさらに代謝され7種類の酸に形を変えながら再びクエン酸に戻ります。このプロセスが“クエン酸回路”と呼ばれて乳酸を分解、疲労を回復させつつエネルギーを生み出します。

抗酸化作用

クエン酸には抗酸化作用もあります。
抗酸化、つまり、体のサビを止めてくれるのです。体のサビとは細胞を衰えさせて老化させることですから動脈硬化や心筋梗塞、また骨粗鬆症や高血圧、肌荒れなど広い範囲で影響が出ます。

血液サラサラ

クエン酸が乳酸を取り除くと血液が本来の弱酸性に戻るため血液サラサラになります。
また、お酢に含まれるアミノ酸が血中に脂肪が留まらないようにし、血小板が固まるのを防いでくれます。

お酢、いろいろ

穀物酢

一般的に「酢」といえば穀物酢のことです。小麦、米、とうもろこしなどの穀物から作られていて、しっかりとした酸味が楽しめて値段が手頃。
代表的なお酢の会社、ミツカンによると「どんな料理にも合うオールマイティなお酢。特に加熱料理におすすめ」だそうです。

米酢

米を原料としたお酢で2種類あります。
米酢  米とアルコールから作られる
純米酢 米のみから作られる
お米から作られているのですし飯を作るなら米酢が合います。和風の酢の物にも合います。
アルコールを加えて作る米酢のほうが軽やかな酸味と言われています。
ミツカンによると「酢の物、漬物、マリネなど加熱しない料理におすすめ」。

りんご酢

りんごの果汁を発酵させて作る酢です。カリウムを豊富に含むため体内の余分は塩分を排出させてむくみを解消します。
りんご特有のさわやかな香りがあり、炭酸で割ったソーダもいけます。

ワインビネガー

ぶどうにワイン酵母を付着させて発酵させ、さらに酢酸菌を足して発酵させます。
その後、ワインを足しながら熟成させていくのですが、この時に赤ワインを足せば赤ワインビネガー、白ワインを足せば白ワインビネガーになります。
ワインビネガーは万能で煮込みに加えればコクを生み、ソテーのソースに使うとさっぱりと、ドレッシングとしても使えます。もちろんマリネにもよく合います。

出典:お酢の使い分け│お酢を知ろう!│ミツカングループ商品・メニューサイト (mizkan.co.jp)


新ごぼうと新にんじんのピクルス

旬の野菜を使って

今回は春に出回る“新”がつく根菜、新ごぼうと新にんじんを使いました。ごぼうはキンピラ等、よく炒めて食べるイメージがありますが、新ごぼうは成長途中なので繊維も柔らかく香りも強め新にんじんジューシーで甘みが楽しめます。

ごぼう

ごぼうには不溶性食物繊維と水溶性食物繊維が豊富に含まれています。

不溶性食物繊維
水に溶けず大腸で水分を吸収して数倍から十数倍に膨らんで便のかさを増やし腸のぜん動運動を高めます

水溶性食物繊維
水分に溶け込んでゲル状(ゼリー状)になるので胃から小腸への食べ物の移動速度が緩やかになります。このため糖質を吸収するスピードも遅くなるため食後に血糖値が急激に上がることを防ぎます

また、大腸で有害物質を吸着して体の外に排出させます。


ポリフェノールも含まれています。

クロロゲン酸
強い抗酸化作用があります。
酸化とは体の中で発生した活性酸素の一部によって細胞が傷つけられ、老化することです。

水に長時間さらすとクロロゲン酸が溶け出てしまいます。

にんじん

βカロテンが豊富です。

βカロテンも抗酸化作用があり、活性酸素を除去してくれます。

βカロテンは体の中で必要な量がビタミンAに変換されます。
ビタミンAといえば「視力のビタミン」。目の健康に良い栄養が沢山入っています。

夜盲症(夜や暗闇で見えにくくなる症状)や眼精疲労に効きます。
紫外線のダメージから目を守ってくれます。

ビタミンAは皮膚や口内のどの粘膜を健康に保つ働きがあります。

材料(2人分)

新ごぼう   1本
新にんじん 1/2本
砂糖   大さじ1
白ワインビネガー 大さじ4
水   大さじ2
塩   小さじ1/2
黒こしょう   少々
赤唐辛子   1本
ローリエ   1枚

※ 白ワインビネガーではなくご家庭に置いてある「かんたん酢」でもOK。カンタン酢はラベルを見ると「果糖、醸造酢、砂糖、食塩、レモン果汁、昆布だし、調味料、香辛料」が入っていて調味済みのお酢であることがわかります。だから「具材と合わせるだけでピクルスが作れます」と宣伝しているわけです。かんたん酢の場合は砂糖と塩を省いて作ってみて、もう少し甘みが欲しいなと思う場合は次回から砂糖を少し足してみてください。

作り方

1. 新ごぼうは洗って皮をむき、3~4mm幅の斜め切りにする。
2. 新にんじんの皮をむいて5mm幅の斜めに5cm位の長さに切る。
3. 小鍋に砂糖、お酢、水、塩、こしょう、赤唐辛子を入れて火にかけて混ぜ、砂糖が溶けたら火からおろし、バットに入れる。
4. 新にんじんを熱湯で3分間ゆで、水気をきってバットに広げる。
5. 新ごぼうを熱湯で4分間ゆで、水気をきってバットに広げる。
6. 新にんじんと新ごぼうがピクルス液につかるように広げてローリエを入れ、ラップを密着させ、冷めたら冷蔵庫で保存する。

※ ごぼうの皮をむく方法はタワシでこするか包丁の背でこするかですが、私はタワシ派です。包丁を勢いよくシャッシャッとごぼうの表面をこすって皮をこすり取るのは少し手元が狂うとケガをする危険があり、新ごぼうは柔らかいのでタワシで皮は十分むけます。皮は完全にむく必要はありませんが、土が残らないように流水でよく洗い流しましょう。
※ 新ごぼう、新にんじん、それぞれの香りを保つために別々に茹でました。新ごぼうはアクが少ないのでにんじんと一緒に茹でるのもアリです。
※ 新ごぼう、新にんじんともに茹でて熱いうちにピクルス液に漬け込むのがポイントです。
※ 早く冷ますためにバットに入れましたが、タッパーなどの密封できる器に入れても構いません。食材がピクルス液にしっかり漬かることが大事です。そして冷めてからフタをしてください。

島根県江津市のお料理教室から


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このブログではオーナー 福田順子がレシピや料理のワンポイント、食材の豆知識などをお届けしています。

取得資格: ABCクッキングスタジオの認定インストラクターとして登録
     ABCクッキングライセンス
     ABCブレッドライセンス
     ABCケーキライセンス
     日本ヘルシーフード協会 ヘルスフードカウンセラー1級
<ディプロマ>
     東京會舘クッキングスクール 西洋料理応用専攻コース修了
     一般社団法人ベターホーム協会 魚料理、肉料理、飲茶、イタリア料理各コース修了
     日本ヘルシーフード協会 フィットネスデザイナー養成講座 修了

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